2008年4月アーカイブ

日吉にひさびさに行ってみると、新しくできいた店におどろいた。「ケータイリサイクルセンター」という、まるで中古ブランド品ショップのような形で中古携帯を売り買いをする店のようである。時間が無く内部は確認できなかったのだが、少し古い携帯などに12,000円などの価格がついていた。

中古携帯市場は、アジアなどではあるとは聞いていた。それは、海外で普及している携帯の多くは内部のSIMカードと呼ばれるカードを差し替えれば、機種変更できるようになっているからである。日本のFOMAやWINなどの最近の第3世代からは、SIMカード方式になったが、中古端末を売り買いするという話はあまり聞いていなかった。あっても、白ロムと呼ばれる番号無しの携帯がオークションなどで高値で取引されているということぐらいでした。

日本では、携帯電話のリサイクルは携帯ショップに機種変更などの際に渡すか、個人情報のため家で保管するというのが、一般的スタイルである。しかも最近は個人情報を気にする人が増えたため、回収率が低くなっているという話は聞いていた。要は、古い携帯電話には価値がなかったのです。それが、市場価格が生まれ、取引されるようになるというのは興味深いですね。

近い将来は、中古価格を考えながら、機種変更をする時代になったりするのかとわくわくしてしまいます。また、同時に新規で買わなくてもよい時代になると、国内携帯メーカーはさらに厳しい状況に追い込まれてしまうということでもありますね。


モバイルな社長のモバイル最前線

いまモバイル業界でホットなものの一つにモバイル検索があります。SoftBank/AUがメニューのトップに検索を導入していたのに続き、今年の4月1日からドコモもGoogleの検索枠をトップに入れるようになったのです。これは大きな影響をモバイル業界に対して起こしていくのではないかと思っています。それは、いままではディレクトリ型のメニューが有料のいわゆる公式コンテンツに誘導するようになっていたため、公式コンテンツプロバイダーは大量のトラフィックを得て、月額数百円を払う会員になってくれていました。これが、検索窓が大きく入ったメニューからは、検索するのが自然となります。すると、検索結果には公式コンテンツだけではなく、一般サイトも表示されるため、トラフィックは分散します。すると、公式ビジネスは厳しい状況になっていくと考えられます。すでに公式コンテンツは、市場の成熟化と競争の激化、制作・運営コストアップで成り立ちにくくなってきていますが、さらに環境は厳しくなっていくと思われます。

と、先行きの暗いことを書いてしまいましたが、この検索への移行によって、一般サイトが以前より運営しやすくなるなど、うまれる良い効果もあるでしょう。

携帯検索で、面白い話を人から聞きました。それは、携帯だと、検索ワードではなくて、文章で入力してくる人が結構いるということなのです。たとえば、「いま渋谷でヒマなんだけど」みたいな文章を入れてくるのだそうです。携帯だと、メールで文章入力することにはなれているので、そういった行動は不思議ではないと思います。デバイスが変われば、検索スタイルも変化していくとも十分考えられます。

ところで、面白いサイトがありました。Frouteという、携帯検索では国内トップ企業だと言われている携帯検索サイトの検索ワードが流れていくというサイトです。見つめていると結構面白いですよ〜。

Froute検索生中継

http://search.froute.jp/watch/watch_ver0711.swf


モバイルな社長のモバイル最前線

ここ数年は、私はWillcomをメインで使ってきました。それは、W-ZERO3という、PHSを融合したPDA(パーソナルデジタルアシスタント)端末として、非常に便利だったからであり、かつ音声通話が高品質で安価であったからです。

ちょうど一年ほど前に発売された、W-Zero3 Advanced esでは、PDAとPHSをくっつけ、携帯電話として、違和感ないサイズにコンパクトにしたのは革命的でした。

そして、Willcomから噂はずっとされていたパソコンとPHSをくっつけた端末「Willcom D4」が発表された。この端末は、Intelの新しいモバイルCPUのAtomという低消費電力CPUを使っているため、500g以下で少し前のパソコンと同じ性能を有するものです。

よくモバイル関係の人と話すとき、携帯がパソコンに近づいていくのか、パソコンが携帯に近づいていくのか、という話になります。携帯がパソコンに近づいていったのが、いわゆるスマートフォンと呼ばれる分野の携帯端末です。WillcomのW-ZERO3やHTC X01HT/X02HTなどのWindows MobileをOSとして採用したものが現在主流になっています。もともとOSがPDA向けのものですので、PDAと携帯電話をくっつけた機能をもっています。

余談ですが、ノキアにいたときにスマートフォンという言葉を2004年ぐらいにノキアのハイエンド携帯電話の一部を指す言葉として使ったことがあり、言葉の普及に少しだけ貢献できたのかな・・・と個人的には思っているのですが、スマートフォンという言葉も最近普通に使われるようになってきました。http://plusd.itmedia.co.jp/mobile/articles/0408/26/news041.html

スマートフォン以外の携帯電話も、スマートフォン的な機能(フルブラウザやメールクライアント)が搭載されるようになってきているのもあり、携帯電話全体として、パソコンの機能を取り込もうという動きもあります。「携帯のパソコン化」といったような言葉をキーワードとして指摘される方も多いところです。

これに対して、パソコンから携帯電話方向に近づいていく流れがあります。1例では、ソニーのType UやOQOなどの超小型パソコンが上げられます。Willcom D4もこの流れを、PHS機能を取り込むことによって、より進めた商品です。

これらの流れのどっちが主流になるのかという話なのですが、パソコンはWindowsとインテルの半導体のプラットフォームを中心として、ある程度の大きさのQWERTYキーボードとある程度大きい液晶がついているノートパソコンが一番便利な形として主流になってきています。このプラットフォームに主流がある限りはこの形はおそらく変わらないと思います。そういった背景から、AppleのMacBook Airのような薄型化がトレンドになってきているのだと思います。そこで、携帯電話はまだプラットフォームが固まっていない状況にあります。そのため、今後いろいろなプラットフォームが出てきているため、まだまだどこが標準になっていくかというのは面白い議論なのです。全体的なパソコン化の動きというのはおそらく変わらないと思いますが、「携帯」する機器であるということから、液晶サイズやボタンなどインターフェースに使える面積が少ないため、少しづつ進んでいくのだと考えています。

AppleのiPhoneは、そういったところをブレークスルーする可能性もあり、面白い存在でもあります。

だいぶ脇道にそれましたが、Willcom D4はおそらくとにかく小さいパソコンを使ってみたいというマニアが使うだけに終わると予測できます。といっておきながら、マニアックな私は買ってしまいそうな気がしまいますが・・・(笑)。


モバイルな社長のモバイル最前線