2008年3月アーカイブ

「ハゲタカ」を読み終わり、本当に面白かったので、「ハゲタカⅡ」(真山仁、講談社文庫)を読んでみた。ハゲタカは、失われた10年をベースにしながら、M&Aの世界を舞台に、小説が進む形であったが、ハゲタカⅡは、最近のカネボウ、富士通、キヤノンなどをベースに、主人公達がダイナミックに活躍する小説であった。悪役的存在の鷲津が主人公として、展開していく。

今回は、日本経済だけではなく、米国軍事産業ファンドと、政治的にも競争関係になったりと、現実とは少し離れながらも、小説として非常に面白い展開を見せる。小説として、どんどん読んでしまう面白さを持ちながら、M&Aの勉強にもなる、非常にオススメの本です。

この本を読んでいて思ったのが、鷲津の情報把握の力がほとんどの場面で、鷲津の交渉パワーを高めていることです。元スパイまで味方につけて、情報を仕入れ、確実な状況の把握と交渉力を高めることに利用する。現実でここまでしている人間はいないとは思いませんが、経営においても情報収集能力は必須だと感じました。


モバイルな社長のモバイル最前線

ドラマで少し見ていた「ハゲタカ」の原作小説を本屋で見かけて、読んでみたくなった。で、「ハゲタカ」(真山仁、講談社文庫)読んでみたのだが、ドラマとは内容がかなり異なっていて、めちゃめちゃ面白い。バブル後の日本の金融史をベースに書かれていて、かなり内容がリアル。三葉銀行(のちUTB)やゴールドバーグ・コールズなどのあきらかに予想の付く企業が入り乱れて、バブル後の日本金融のおいしいところを取ろうと、ストーリーが展開する。

主人公的な鷲頭(米国のファンド)の日本トップは、理論・脅し・籠絡など交渉術のあらゆる手段を使って、債権や企業を割安に買い付けていく姿は、悪役的ポジションにありながら、かっこいい。情報を集め、戦略を立て、交渉に入る前にはすでに勝ちポジションにかならずいるという姿はすごい。

NHKのドラマは善悪の2極での戦いだったが、小説の方は、善悪論に収まらない展開が面白い。そして、最後に鷲津の本当の意図が明らかになるという、オチも感動だった。資本の怖さが良く理解できる作品だと思います。ビジネスに関わる方には、ぜひオススメです。


モバイルな社長のモバイル最前線

この調査から興味深い結果をもういくつか書きたいと思います。

「3割もの人が複数モバイルSNSをアクティブに利用している」というのも、おどろきで、今後、モバイルSNS市場に参入しようと考えたときには、すでにいくつもの人気モバイルSNSが立ち上がっている今、参入することは難しいのではないかと思われがちなのですが、実は3割もの人が複数のモバイルSNSを使っていることが今回の調査でわかりました。おそらく、これらいくつものモバイルSNSを活用している人は使い分けているとも考えられます。

ただし、トップ3サイト(モバゲータウン、Mixiモバイル、GREE)より下位のサイトはアクティブに利用される率が圧倒的に下がります。これは、モバイルSNSが、ネットワーク効果(経済学で使われるネットワークの外部性の効果)が大きく働くサービスであるからと言えるでしょう。ネットワークの外部性とは、同じサービスを使う個人の数が多ければ多いほど、そのサービスを使うことから得られる効用が高まる効果のことを言います。簡単に言うと、参加者が増えれば増えるほど、便利になるサービスということです。

3月5日に自主調査「モバイルSNSブランド調査」の結果を発表しました。

プレスリリース:http://mobilemarketing.jp/2008/03/sns.html

ITmedia掲載:モバイルSNSの魅力、“コンテンツはモバゲー、コミュニケーションはmixiモバイル”http://plusd.itmedia.co.jp/mobile/articles/0803/06/news029.html

モバイルな社長のモバイル最前線

3月5日に自主調査「モバイルSNSブランド調査」の結果を発表しました。

プレスリリース:http://mobilemarketing.jp/2008/03/sns.html

ITmedia掲載:モバイルSNSの魅力、“コンテンツはモバゲー、コミュニケーションはmixiモバイル”http://plusd.itmedia.co.jp/mobile/articles/0803/06/news029.html

今回の自主調査では、モバイルSNSサイト(携帯向けソーシャルネットワーキングサービス)をブランドなどいくつかの視点で、それぞれのプレーヤーの競争力を見てみることを目的として行いました。特にブランド分析では、多変量解析1つで因子分析という統計手法を使い、トップ3(モバゲータウン、Mixiモバイル、GREE)のブランドを数値化しました。因子分析とは、一つの質問では聞けないようなこと(今回はブランドイメージ)、いくつかの質問(変数)を結合させて、新しい変数を作る技法です。

ブランド分析からは、「コミュニケーションの魅力」と「コンテンツの魅力」因子の2因子でモバイルSNSはブランドイメージを持たれていることが判明しました。そして、コミュニケーションの魅力ではMixiモバイルが一番高くイメージを持たれており、コンテンツの魅力ではモバゲータウンが一番高くイメージを持たれていました。

これは非常に興味深い結果で、モバイルSNS市場ではおそらくこんなブランド競争が起きていると考えられます。もともとSNSはコミュニケーションの楽しさというブランド軸で「Mixi」が市場を作ってきた。そこへ「モバゲータウン」がコンテンツの楽しさという新しいブランド軸を打ち出し、市場を大きく拡大した。両方のブランド軸で追いかけるGREEは相対的に不利なブランドポジションとなってしまう。今後、他のモバイルSNSが成功するとすれば、新しいブランド軸を打ち出す必要があるということであろうと結論づけられます。

*モバイルSNSブランド調査結果をまとめたレポートを3万円で販売しています。詳しく知りたい方はご注文ください。


モバイルな社長のモバイル最前線