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画家 Quinquera Martin

「ボカはすりや強盗が多く本当にあぶないよ」タクシーの運転手が真顔で言う。向かっているQuinquera Martin美術館のあるブエノスアイレス・ボカ地域は、観光地区は警察がいるけども一区画でも離れると襲われるとのこと。まあ、地元の人がそういうのだから、気をつけよう。タクシーがボカ地域に入ると街並みは荒れてくる。スラム街のイメージである。雰囲気としてはメキシコシティに似ている。ヨーロッパ的な街並みのブエノスアイレスでは違う雰囲気である。

そのボカが港であったところに画家Quinquera Martinが建てたりっぱな幼稚園の中に美術館がある。Quinqura Martinの絵は初めて見るが、その港が全盛期であった頃の活気が船や人の構図や色から伝わってくる。その美術館は屋上に出ることができ、上がってみるとすばらしい景色で、ボカ全体を見渡すことができる。正面に広がるのがQuinquera Martinが題材にした港である。この港はヨーロッパからの移民はすべてここに降りたそうである。きっとここは昔、ニューヨークのようなところだったのだろう。

アルゼンチンはヨーロッパ移民の国である。97%がスペイン・イタリアを中心とした白人だそうである。ブエノスアイレスでは、街中でも歩いている人はほとんどが白人であり、インディオの血を引く人たちはほとんど見かけない。

Quinquera Martinに話を戻す。彼は孤児院に育ち、養子に入る、貧しい環境で育ち、絵で成功する。成功すると、ボカの町に病院や学校など6つの建物を寄付したそうである。また、美術館も自分の絵だけではなく、他人の絵も多く飾られている。そして、現在は観光客でにぎわう「カミニート」と呼ばれる通りを作った。この通りでは多くの画家たちが絵を売っている。ボカという地元に死後なお貢献する、観光資源を作り上げたキンケラ・マルティンはすばらしいと思う。

Quinquera Martin美術館を独断で採点:
芸術度:★★★
ためになる度:★★★