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「ついに携帯電話ハードウェアの時代も終焉に」それを感じたワイヤレスジャパン

200807221519000.jpgのサムネール画像携帯電話関係で最大の展示会であるワイヤレスジャパンに行ってきた。昨年度は行かなかったので、2年ぶりになるのだが、お台場のビッグサイトについて、まずびっくり。あまりにも人が少ないのだ。初日だったということもあるのだろうが、それにしても少ない。中に入ってみると、あきらかに使用するホール数も少なくなっている。携帯メーカーにいたので、ワイヤレスジャパンはかならず行っていたものだが、ものすごい混みようだったものである。それが、今年は2ホールのみの使用で、ソフトバンクモバイルもブース出展をしていない。明らかに出展社数も減っている。

さらに、展示を回って感じたのは、もう携帯電話市場(ハードウェア)は成熟商品になってしまったということである。端的にいうと、新しいものはほとんど見ることができなかった。iPhone 3Gの展示が無かったというのもあるが、各社展示している最新携帯も、ほとんど新しさが無いものばかりであった。印象的だったのが、日本メーカーも、携帯のハードというよりも、ソフトで差別化をしようという動きが目立つことだった。

200807221627000.jpg逆に目立ったのが、SamusungやHuaweiといった海外メーカーが、ドコモやKDDIといったキャリアのブースと同じぐらいのサイズのブースを出展していた。200807221628000.jpgグローバルでシェアを広げている韓国、中国メーカーである。日本の携帯メーカーが数年前は相手にもしていなかった企業が、グローバル市場でサバイブし、シェアを拡大しているのだ。

日本の携帯電話のすごさは、極端に進んだハードとi-modeのような垂直統合されたサービス提供であったとも言える。日本の携帯電話市場では、ハードウェアで差別化し、新しい携帯を売ることが伝統的に行われてきた。たとえば、今年はカメラが100万画素から200万画素になりました、とか、液晶がQVGAがVGAになりました、とか、ワンセグとかFelicaが付きました、という売り方で、販売合戦を繰り広げてきた。技術の成熟化でハードウェアで差別化するということができなくなってしまったということが言えるだろう。また、消費者が求めていることと違ってきたとも言えるのではないかと思っている。

iPhone 3Gは、ハードウェア的にはまったく新しいことが無い。液晶も、カメラもひと世代前、タッチパネルも新しいものでもない、CPUなども特に早いものでもない。しかし、組み合わせの魅力で、ある特定のセグメントの消費者には、非常にニーズを満たす商品にまとめ上げているといえるだろう。

携帯のハードウェアは、もうすでに成熟商品といえるだろう。今後は、割賦販売方式になり、買い替えサイクルが2年を超えるようになってくる。すると、販売台数も大きく減ってくる。日本の携帯メーカーはグローバル化がまったくできていないので、生き残るのは相当難しくなることが予想できる。おそらく、来年のワイヤレスジャパンに日本メーカーで出展するのは1,2社になるだろう。

そんなハードウェアの終焉を時代を感じてしまったイベントであった。