「ソーシャルメディア・マーケティング」という言葉がいろいろなところで耳に入るようになりました。世間一般では、Twitterを使ったマーケティング(主にプロモーション)を指しているようです。
「ソーシャルメディア」を広く考えてみたいと思います。まず、ソーシャルメディアという定義が問題になります。wikipediaによると、以下のように書かれています。
ソーシャルメディアは、インターネットやウェブに基づく技術を用いて、 ブログやtwitterのつぶやきのような一方方向の独り言を多くの人々に伝えることによって、 多数の人々が参加する双方向的な会話へと作り替える。 ソーシャルメディアは知識や情報を大衆化し、大衆をコンテンツ消費者側からコンテンツ生産者の側に変える。 商業的なソーシャルメディアとは、UGC (ユーザ生成コンテンツ; user-generated content)や CGM (消費者生成メディア; consumer-generated media) を指す。
(Wikipedia,「ソーシャルメディア」)
この定義ですと、あらゆる CGMサイトが入ってしまうので、ここは、ソーシャル要素の強いメディアとしてみましょう。すると、twitterだけではなく、MixiやモバゲータウンやGree、Ustream、Youtubeなどが入ります。
いわゆるSNSでは、ソーシャルグラフという言葉でソーシャル要素が語られているようです。モバ研で行われたパネルディスカッションでは、Mixiの方がリアルソーシャルグラフを重視し、モバゲーの方がバーチャルソーシャルグラフを重視しているとの発言が印象的でした。ソーシャルグラフとは、人と人とのつながり・関係性をマップにしたもの指しますが、一般的には、コミュニティ内の関係性の特性をさして語られることが多いようです。
Twitterも現状リアルソーシャルグラフの強い面はありますが、芸能人や政治家などが多く発言の場として利用するばど、バーチャルソーシャルグラフとしての要素も強く持っています。
ソーシャルグラフ特性とオープンかクローズドか(ここでは単純に登録無しでもUGCを閲覧はできるという意味で)で分類してみると、以下のように分かれます。
1.クローズド・リアル志向
Mixi, Facebook, linkedIn
2.クローズド・バーチャル志向
モバゲータウン、 Gree
3.オープン・リアル&バーチャル志向
Twitter
実際には、キレイにこのように分けられる訳ではありませんが、誰とでも緩くつながれるTwitterのフレキシブルなアーキテクチャがリアル・バーチャルの制限をつけずに広がっているところに、強さがあることがわかります。
ただ、SNS各社もオープンソーシャルを活用し、オープン・アーキテクチャに移行しつつあり、どうソーシャルグラフを取り込むかが、今後のソーシャルメディアを考える上でのカギになるのではないでしょうか。
【メモ】こんな議論に興味のある方は、モバイル・IT研究会ではこのようなテーマのディスカッションを毎月行っています。詳しくは、こちら。
(江尻@モバイルマーケティング・ジャパン)