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本感想「みんな変わり者だった」

「みんな変わり者だった」バリー・J・ギボンズ (著), 金井 真弓 (翻訳)

この本は、元アメリカ・バーガーキングCEOだったイギリス人が語る10人の世界的な起業家の成功法則である。著者は、イギリスでMBAを取得し、多くの多国籍企業で転職を続け、最終的には、アメリカのバーガーキングのCEOまでなったそうである。著者は、このバーガーキングでは失敗していたと自嘲的に、世界で成功している起業家たちと対比している。「バーガーキングは客にハンバーガーを売る企業ではなく、フランチャイズ加盟店にビジネスのシステムを売っているのだ」と彼の主張は明快である(簡単に言うとぶっちゃけている)。

ルチアーノ・ベネトン、ジェームス・ダイソン、マイケル・デル、アニータ・ロディック(ザ・ボディショップ創業者)、ウォルト・ディズニー、リチャード・ブランソン、スティーブ・ジョブス、ハーブ・ケレハー(サウスウエスト航空創業者)、ハワード・シュルツ(スターバックス創業者)と、10人の世界で成功している創業者達の人生や企業を取り上げ、彼らはMBA的手法だけで成功している訳ではないことを、自分のバーガーキングでの失敗談と対比し、語っている。中でも、著者はバーガーキングでは「一株あたりの短期利益を毎年増やして20年経てば、あっと驚くような、長期的目標が達成される」ことを目標とし、その一株当たり利益を上げるためにできることはなんでもやってきたそうである。それを長期的に時間と資金をかけてブランドを育成してきたハワード・シュルツと対比して、「株主たちはどちらがよかっただろうか?30%の短期利益がある株か、本当の付加価値があるブランドの健全な成長に伴って何千%にもなる利益か?」と自分に対して疑問を投げかけている。

その他にも、この10人達の生き方から学んだことを多くあげている。現在、MBA的勉強を毎日している中、MBA的経営手法に疑問を感じる部分があり、その考えをはっきりさせてくれる本であった。