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iPhone 3G購入しました

iPhone人気も一段落ついているようですが、iPhone 3G購入しました。

使ってみて、最初の感想はやはりソフトがよくできており、とくにUI(ユーザーインターフェース)が非常に良いということ。とにかく、説明書がなくても使えてしまうのである。これは、右へ行くと進む、左に行くと戻るという、すべての画面が同じロジックで構成されており、すべてのソフトが同じ使い方で統一されており、わかりやすい。また、タッチパネルというデバイスを使って、違和感なく操作できるようにとことんしてある。たとえば、日時を入力する際には、月・日・時間をそれぞれローロデックスのように回転するメタファーを使っており、すばやくわかりやすく入力ができる。ただ、一つだけ問題は、表示されるソフトキーボードがとにかく押しづらくて、入力しづらいことである。

iPhoneは、ハードとしては決して最新技術を使っている訳ではない。液晶も、3.5インチと大きいが320x480ドットと高解像度ではない。GPSや加速度センサーが入っているが、そんなに特殊なものではない。カメラも高解像度ではない。しかも、iPhone初代とiPhone 3Gでは、ほとんどハード的には変わらず、W-CDMAに対応したぐらいの違いである。だけど、ほかのスマートフォン(Windows MobileやSymbianといったOSを搭載した携帯電話)と比較しても、革新的な部分を感じる。

アップルの歴史やiPhone 3Gを見ると、Appleの過去のソフト資産が非常に生きているなと感じさせられる。Appleは、いまでは大成功している会社として認識されていると思うが、Windowsに押されMachintoshが売れなくなった後は、非常に苦しんだ歴史を持っている。アップルの1990年代は暗黒の時代であったと言えるだろう。1992年には、手書き認識するPDAのNewtonを発売するなど、革新的でありながら、大失敗だった。Mac OSも、旧世代のOSからなかなか進化できず、さまざまなOSプロジェクトをやっては失敗しを繰り返し、unix互換ベースのMac OS Xができるまで非常に苦労している。ただ、そこでタッチのインターフェースの研究や、自分たちでOSから作るという文化が大きなソフト資産になってきていると思う。

現在では、携帯電話でのソフトの重要性が上がっている。それを考えると、日本メーカーのソフト開発力は心配である。携帯電話では、ハードの機能で販売していくモデルに依存してきたため、ソフトに関してはあまりリソース配分がされてこなかった。OSから開発できるメーカーは存在しない。おそらくiPhoneと同じものを作ろうとしても、ソフトの部分でマネすることが難しいだろうと予想することができる。そして、ハードとしても、価格競争力で追いつくことも難しいだろう。Apps Storeのように開発者を取り込んで、ソフト販売を増やしていくことも難しいだろう。

厳しい時代を超えて、ハード・ソフト・サービスを統合して、ユーザー価値の高い製品を提供できるようになったアップルの強さがよく表現されているのがiPhone 3Gだと言えるであろう。